★ 言うつもりの、なかった言葉

少しばかり前に書いたもの
・・・この時から、俺は一歩でも前に歩めたのだろうか・・・

希望を知った。キミと逢えて
失望を感じた。キミと話して
そして・・・

キミの言葉が聞こえない。ボクの心の叫びが掻き消すから。
キミの気持ちが解らない。ボクの叶わぬ望みが邪魔をして。
キミの姿がよく見えない。ボクの不安の影に目を奪われて。

穏やかな風が吹く事さえ、ボクは怯えていた。キミという華が、地に堕ちてしまうのではと恐れ嘆いてた。・・・新たな種の芽吹きも否定して
雨が降る度に、ボクは震えていた。キミという華が、流され、枯れてしまうのではと。・・・そのもたらす恵みに気付かないまま

ボクの言葉が恐ろしい。キミを瑕付けてしまいそうで。
ボクの心が暴れまわる。キミを想いて猛り狂うから。
ボクの望みを見失う。キミの望みを得ようとしたから。

見えないものを視ようとして、見えるものを見えなくなってた
聴こえないものを聞こうとして、聴こえたものが聞こえてなかった
届かぬ物を手に入れようとして、届く物を手に入れられなかった

希望を感じた。自らの想いを知って
失望を知った。自らの醜さに触れて
それでも・・・諦めたくはなく

キミを傷付けてしまいそうで、それが恐ろしくて離れようと思いても
キミと離れてキミを見失いそうで、それを恐れる自分に憤って
それでも、きっとまだキミが好きで、どうしてもどうしようもなくて
絶望は未だ遠く、ただ歩む先に在るモノを求め彷徨いて・・・

夕闇は遥か彼方。夜明けはいつかの果て。
そんな、氷の夜。許されぬ罪（想い）を抱いて眠る時。
未だ彷徨い惑う、孤独に沈む・・・古き想いを秘めた、恋月の瞬く夜・・・